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更新日:2015年8月1日

島唄

奄美は民謡(島唄)の宝庫。島の人々は、苦しいときも、うれしいときも島唄とともに生きてきた。

「ウタは半学問」という奄美の諺があるが、島唄の社会での機能性を表現しているといえるだろう。

人々は労働を唄い、祭りを、恋を唄い、死を唄った。そこには、必然的に人生観や世界観までも唄い込まれている。

今でも、人が集まれば黒糖焼酎がふるまわれ、三味線・太鼓をバックに島唄が唄われる。哀調を帯びたメロディーに、ふりしぼるように唄う島唄の数々……。

最近では音楽界の中でも、この独特な旋律の島唄が注目を浴びはじめている。

行きにゅんにゃ加那節

唄の解説

愛しい人との別れを歌った歌で、この加那は、恋人にも親しい肉親にもどちらにでも解釈できる。

この歌のルーツをたどると、本土系の数え歌だが、今は奄美民謡の代表曲といってよいだろう。

  1. 行(い)きゅんにゃ加那(かな)
    吾(わ)きゃ事忘(くとわす)れて
    行きゅんにゃ加那 打(う)っ発(た)ちゃ打っ発ちゃが 行き苦(ぐる)しや
    ソラ行き苦しや(ソラ行き苦しや)
    [訳]
    行ってしまうのですか、愛しい人。私のことを忘れて行ってしまうのですか。いや発とう発とうとするが、あなたのことを思うと行きがたいのです。
  2. 阿母(あんま)と慈父(じゅう)
    物憂(むぬめ)や考(かんげ)えんしょんな
    阿母と慈父
    布織(ぬぬう)て賃金取(ちんめと)て 召(み)しょらしゅんど
    ソラ召しょらしゅんど(ソラ召しょらしゅんど)
    [訳]
    お母さん、お父さん。物思いをし、あまり考えなさいませんように。私が布織りをして賃金を取り、ちゃんと食べさせてさしあげますから。
  3. 目ぬ覚めて
    夜(ゆる)や夜(ゆ)ながと 目ぬ覚めて
    汝(な)きゃ事思(くとう)めばや 眠(ねい)ぶららぬ
    ソラ眠ぶららぬ(ソラ眠ぶららぬ)
    [訳]
    目が覚めて、夜中じゅう目が覚めて、あなたのことを思って眠られません。
  4. 鳴(な)きゅん鳥(とうい)くわ
    立神沖(たちがみうき)なんて鳴きゅん鳥くわ
    吾(わ)きゃ加那(かな)やくめが 生(い)き魂(まぶり)
    ソラ生き魂
    [訳]
    鳴く鳥がいる。立神の沖の方に鳴く鳥がいる。いや、あれは私の愛しいあの人の生き魂が鳴かせているのだ。

お問い合わせ

瀬戸内町社会教育課図書館・郷土館

鹿児島県大島郡瀬戸内町古仁屋1283-17

電話番号:0997-72-3799

ファックス:0997-72-3999

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