豊年節
島唄
豊年節
- エンヨーハレー西(にし)ぬ口から
白帆(しりゃほ)や巻(ま)きゃ巻きゃ来ゆりヨイヨイー
(スラヨイヨーイー)
蘇鉄(そてち)ぬどがき粥(がい)やはん零(くぶ)せヨー
うとめましゅナーロイー
ヤーレイー西ぬ口から
白帆や巻きゃ巻きゃ来ゆりヨイヨイー
(スラヨイヨーイー)
蘇鉄ぬどきがき粥やはん零せヨー
うとめましゅナーロイー
ヤーレー ヤラセバ マタ来イ来イー
- ヘンヨーハレー線香(しんこ)ぬ無(ね)だな
松木(まちげ)ぬ葉(は)ば線香ち灯(とぼ)ちヨイヨイー
(スラヨイヨイー)
山川観音丸(やまがわかんのんまる)二番漕ぎ願おナロイー
ヤーレイー線香ぬ無だな
松木ぬ葉ば線香ち灯ちヨイヨイー
(スラヨイヨイー)
山川観音丸二番漕ぎ願おナロイー
ヤーレー ヤラセバ マタ来イ来イー
豊年節[訳]
- 西の入り口あたりから、
白帆を巻きながら船がやってくる。
さぁ、蘇鉄粥など零して
捨ててしまいなさい。
うとめましゅうよ
(船には食料がたくさん
積み込まれているから)。
※どがき粥=蘇鉄の幹の部分から採った澱粉で作った粥で、かつての飢饉食であった。
- 線香がなかったら松の木の葉っぱを
線香代わりに灯して、
山川観音丸が年に二度
航海してくれるよう願おう。
[解説]
瀬戸内方面の一部に残っていた唄だが、最近は多くの人が歌うようになった。
薩摩から物資を満載してやってくる船を待ち焦がれる様子がよく歌われている。
「豊年節」というのは島の豊年祭りに歌ったところからついたといわれるが、確かに太鼓も加わった祭りにふさわしい快活な唄である。
「請くま慢女節」と異名同曲。